電子契約導入のメリットと突破すべき壁
皆さん、こんにちは~!バイス・ネットで電子契約関連の導入やサポートを担当しております。
働き方改革や、新型コロナの影響でリモートワークが普及し、それに伴って、出社のための押印をなくす動きやペーパーレス化の推進により、電子契約サービスを導入する企業様も増えましたね。
弊社は、図面や紙文書などのペーパーレス化を実現する文書管理パッケージSophia Filing es製品を開発、導入、サポートを提供しておりますが、ここ数年は、電子契約の導入支援にも携わってきました。
そこで、今回、電子契約に関する記事として、『電子契約って本当に導入する価値があるの?』
と疑問をお持ちの皆さんに、電子契約サービスを導入することのメリット、そして電子契約サービスを導入するにあたってハードルとなることをご説明いたします!
電子契約に興味を持っているが、導入を迷っている方や弊社の取り組みに興味をお待ちの方は、ぜひ一読いただけると幸いです。
【目次】
電子契約のメリット
一般的に、電子契約サービスを導入することで得られるメリットは以下の3点だと思います。
上記に加えて、他のクラウドサービスや既存システムとのシステム連携を行えることもメリットして説明したいと思います。
○業務効率の向上
何と言ってもこれまでの紙でのやり取りに比べて、契約締結までの期間短縮や作業時間の短縮が見込めます。
電子契約では、契約書を電子データで作成し、電子契約サービスを介して、先方とやりとりします。一般的には、すべての契約プロセスがインターネット上でのやりとりで完結します。
このため、紙に印刷して、押印した後、封筒に入れて取引先へ郵送するといった、手作業にて行っていたプロセスを省くことができます。
当然、電子契約書の受取り側も、届いた郵送物が自分のもとに届くまでの時間や、返送の手続きなどを省くことができるため、送付側・受取り側の双方で契約締結までにかかる工数の削減を図ることができます。
契約締結までのプロセスは電子契約サービス上で管理されており、どの段階まで進んでいるかや、メールによる自動リマインダー機能等もあるので、相手が忘れていて契約締結が遅れるなどといったことも防ぐことができます。
また、作業場所を選ばないこともメリットですね。
前述の通り、電子契約サービスは、すべてインターネット上で完結します。関係者には、メールにて書類の送付や署名依頼の通知がされ、署名行為をインターネット上のクラウドサービスで行います。
自宅でのリモートワークや外出先でも、パソコンやスマートフォンのみで署名を完了することができるので、インターネット環境を確保できる場所であればどこでも署名を行うことが可能です。
これにより、特定の場所に行き、契約手続きを行うといった時間が省けるため、契約手続きのための時間の確保が難しい時にも場所を選ばず、手早く契約内容を確認し署名を行うことができ、業務効率の向上が図れます。
○セキュリティ・コンプライアンスの強化
紙の現物管理と比較すると、資料の改ざん防止や、紛失・漏洩のリスクを減らすことが可能です。
具体的な内容について、以下で説明します。
改ざん防止機能
電子署名を使用する電子契約書は、高度な暗号化技術によって保護されているため、紙の契約書と比べて、契約手続きに関わらない第三者が改ざんすることが困難となっています。
仮に改ざんされた場合でも、ハッシュ値を用いて改ざんを検知することができます。
また、クラウド上に保管された電子契約書についてはアクセスできるユーザーを制限できるため、不正アクセスや改ざんのリスクを減らすことができるというのも電子契約の強みと言えます。
紛失、漏洩のリスク
多くの電子契約サービスでは、契約者双方の電子署名が完了した電子契約書をクラウド上に保管しているため、仮にローカルコンピュータに保管していた電子契約書を紛失しても、再取得できることがほとんどです。
また、だれが契約書にアクセスしたかや、どのようなアクションを行ったかなどのログがクラウド上に記録されているため、契約書の漏洩が発生した場合でも漏洩の原因を特定することが容易になります。
○コストの削減
電子契約では、従来の紙を使用した契約に比べて、さまざまなコストを削減できます。
その中でも、削減効果として大きいのが、印紙税になります。
紙での契約では、契約書の種類や取引に係る金額に応じて、収入印紙を添付することで印紙税を納付する必要がありましたが、電子契約においては不要となります。
例えば、継続的取引の基本となる契約書(基本契約書)は 1通につき印紙税を4000円削減できます。
月に2通、年間24通ぐらいのボリュームでも、印紙代金を年間約10万円も節約できます!
また、現物がなくなるので、紙代、印刷代、郵送代の削減や、保管スペースの節約が可能なほか、契約書自体の損傷を防ぐことができます。
もちろん、業務効率の向上に伴い、事務作業も減るため、人的リソースの削減にもつながります。
当然、電子契約サービスを利用するための費用が発生しますが、それを超えるコストパフォーマンスを発揮できます。
○システム連携
ほとんどの電子契約サービスは、主要な外部システム(クラウドサービス)との連携の仕組みがあり、またAPIを公開している電子契約サービスも数多く存在します。
これらを利用することで、社内にある既存システムと連携し、外部システムから宛先や契約書に用いる文書などを自動作成して、署名手続きがすべて完了した際に契約書を自動的に社内ストレージに保管したりすると、契約業務をさらに便利にすることができます。
電子契約導入のハードル
ここまで説明してきたように、電子契約の導入メリットは大きいにも関わらず、実際に導入しようとすると、障壁になることが多くあります。これまでの導入支援をさせていただく中で、多かった事例を紹介します。
○契約相手の同意が必要
電子契約を利用する上では、電子契約を利用することを、契約相手に同意してもらう必要があります。
また、場合によっては相手先に署名方法をご案内する必要もあります。
相手の同意を得ることができなければ、電子契約を利用して契約を行うことは難しくなりますよね。。。
弊社の経験上では、取引先の社内規定により許可が下りなかったり、電子契約に対して業務フローが準備できていないなどのケースで断念するが多いですね。
このような場合には、電子契約のメリットを訴求しながら、電子契約の受入れにどれくらい時間かかるのを確認してから、紙での契約をいつまで続けて、いつから電子契約に切り替えるといった柔軟な対応をしています。
○電子帳簿保存法への対応
電子契約において契約書は電子データであるため、その保管においては、2022年1月1日に改正された電子帳簿保存法に基づいた方法で保管する必要があります。
しかし、実際に電帳法対応において、電子契約の導入だけで電帳法の要件を満たしているかどうかをわかっていない担当者の方が多く、電子契約の導入に至らないことがあります。
こちらの記事にて、電帳法対応について解説しておりますが、弊社では、文書管理コンサルの担当者が、実際に企業様の現状を確認して、文書管理プロセスの全体を見直しをご提案しております。
特に、電子契約書以外の紙文書も含めた証憑書類を一元管理することが望ましく、文書管理システムの導入を推奨しています。これによって、電帳法への対応にも準拠しております。
○社内規定との整合性や業務フローの見直し
そもそも、電子契約を導入してよいのかといった社内規定の確認や、法務部門への確認から始まり、導入するまでのプロセスにおいて特に社内調整に時間を取られることが多いです。特に大手企業になればなるほど、関連部署への確認に手間がかかる印象です。
また、実際に導入することになった際に、従来の業務フローが変わるため、関係者への説明や教育が必要になります。これまで、紙ベースの契約業務に慣れていた方にとっては、最初は抵抗を感じられることもあるので、愚直に導入メリットを説明し、電子契約サービスの使い方に慣れてもらう。そして、必要であればカスタマイズ機能を入れるといったことで対応しております。
どうしても新しいサービスを導入する時に、ありがちなことですが、電子契約は導入メリットの多いので、その企業様における課題を1つ1つクリアして、推進しております。
導入価値を見出せないケースとは?
ここまで、電子契約のメリットと導入時にハードルになることを紹介しました。
電子契約を導入するメリットが大きいにも関わらず、導入に至らないこともあります。
電子契約は、発信側が電子契約サービスを契約していて、受取る側は、利用コストが発生しません。普段、取引先が電子契約を利用して、受取る側になることが多く、自分達が発信者として、電子契約を利用するほどの物量が多くないと、どうしても敬遠しがちなのが現状ですね。
電子契約サービスの提供内容と料金体系は、各サービスによって異なりますが、電子契約を行うボリュームがどれくらいあるのかが、一番のポイントになると感じます。
電子契約サービスは無料でお試しできる製品も多くあるので、実際に触ってみて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では電子契約サービスの導入支援や、各種システム連携の構築だけではなく、 文書管理ソフト「Sophia Filing es」で、電子帳簿保存法に対応し、電子契約書も一元管理していただくことが可能となっています!
電子契約サービスの導入や各種システム連携、文書管理について等、何かお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください!